公開日: 06-10-2023
NHSRCL(インド高速鉄道公社)は本日、ムンバイ・アーメダバード高速鉄道回廊の建設に向け、グジャラート州スラート市内の国道53号線を横断する、全長70メートルの最初の鋼橋を架設しました。
これは、MAHSR(ムンバイ・アーメダバード高速鉄道)回廊の一部として建設される全28基の鋼橋のうち、最初の1基となります。これらの鋼橋の製作には、約7万トンの特殊鋼材が使用される見込みです。各鋼橋のスパン(支間)長は、60メートルの「単純支持桁」から、130メートル+100メートルの「連続桁」まで多岐にわたります。
インドでは、日本の技術的ノウハウに加え、「メイク・イン・インディア(Make-in-India)」構想の下、インフラ建設において自国の技術力や資材調達能力の活用をますます進めています。高速鉄道用鋼橋の建設も、その好例の一つです。
鋼橋は、国道、高速道路、および鉄道路線を横断する橋梁として最も適しています。これは、河川橋を含む大部分の区間に適しているものの、通常40〜45メートルのスパン長となるプレストレスト・コンクリート橋とは対照的です。インドには、時速100〜160キロメートルで走行する重量貨物列車や準高速列車用の鋼橋を製作してきた豊富な実績があります。そして今回、時速320キロメートルで走行する新幹線車両を支えるための鋼橋が初めて製作され、極めて高い精度で無事架設されました。
橋梁建設現場から約1,200キロメートル離れた首都デリー近郊のハプール地区にある製作工場にて完成した後、約700個の部材から構成され総重量673トンに及ぶこの鋼構造物は、トレーラーによって設置現場まで輸送されました。
現場では、高さ10〜12メートルの橋脚上部に設置された架設ステージ(作業足場)の上で、高さ12〜14メートルの鋼橋本体が組み立てられました。その後、約200トンの重量を持つ「架設用ノーズ(先端誘導桁)」が、橋梁本体に接合・組み立てられました。
細心の注意と高度な専門技術をもって、橋梁の架設体は、国道における全面的な交通遮断措置の下、特別に設計された牽引装置を用いて所定のスパンへと引き込まれました。
製造された鋼材は、製造工場の敷地内において、製造ロットごとに超音波探傷試験(UT)による検査を受けました。鋼橋の製作工程では、日本人技術者が作成した設計図面に基づき、切断、穿孔、溶接、塗装といった高度かつ精密な作業が展開されます。請負業者には、国際溶接専門家(IWE)の認定を受けた溶接士および監督者を配置することが義務付けられています。また、溶接工程については、各製作工場に常駐する日本人国際溶接専門家(IWE)による監視・指導が行われます。製作が完了した構造体は、仮組立(チェックアセンブリ)工程を経て、その後、鋼構造体に対する高度な5層塗装が施されます。
鋼桁に採用された塗装技術は、インド国内において前例のない画期的なものです。これは、日本道路協会の『鋼道路橋防食便覧』に規定される「C-5塗装系」に準拠した仕様となっています。
技術的諸元:
- 主橋梁長:70 m
- 主橋梁重量:673 t
- 送り出し鼻(ランチングノーズ)長:38 m
- 送り出し鼻重量:167 t
- 使用鋼材量:673 t(主橋梁分)